2012.10.3 wed On Sale(通常盤)
2012.10.24 wed On Sale(SHM SA-CD)
KBS TRIO "RESONANCE"
通常盤(10/3発売)/TTOC-0018/税込価格 ¥2,800
SHM-SACD(10/24発売)/SSCD-0001/税込価格 ¥4,500
MASTER CD-R IIα(10/24発売)/MCDR-3006/税込価格 ¥9,800
制作・発売:ティートックレコーズ/販売元:ディスクユニオン
お問合せ:kado@t-tocrecords.net
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メンバー:
ベニー・グリーン(P)/金子健(B)/井上智(G)
KBS TRIO "RESONANCE" by t-toc records
収録曲
01. My Heart Stood Still (R.Rodgers) 3:42
02. On A Misty Night (T.Dameron) 8:01
03. Flamingo (T.Grouya) 6:24
04. Moon And Sand (A.Wilder&T.Dameron) 5:02
05. Very Saxily Yours (D.Gordon) 6:02 06. The Joker (A.Newley) 4:27
07. Up Jumped Spring (F.Hubbard) 5:58
08. Just One Of The Those Things (C.Porter) 4:47
09. All Too Soon (D.Ellington) 5:51
10. Butch And Butch (O.Nelson) 4:05
11. Try A Little Tenderness (H.Woods etc) 6:56
2010/6 スイングジャーナルゴールドディスクを受賞し、
各所で絶賛された1stアルバムから2年。
待望の2ndアルバムが完成した。このトリオは金子健(b)が中心となり、ベニー・グリーン(p)、井上智(g)の3人でオスカー・ピーターソンからの系譜とも言えるドラムレスのトラディショナルなスタイルだ。絶妙に選曲されたスタンダートをまとめあげ、ベニーのピアノはオープニングからファンキーに踊り、そして時にブルージーに響く。井上のギターと金子のベースに掛け合う様はまるでオスカー・ピーターソン、ハーブ・エリス、レイ・ブラウンの黄金トリオを思わせるグルーヴを醸し出し、オーセンティック・ジャズの真骨頂を感じずにはいられない。先人達に敬意を払いながら、いま日本で屈指の高品質を誇るティートックレコーズの録音でまとめあげたこのアルバムは、すべてのJAZZファンに贈る、正に温故知新な作品に仕上がっている。
皆さん、お待たせ、KBSトリオの待望の2作目の登場だ。
皆さん、お待たせ、KBSトリオの待望の2作目の登場だ。「KBSトリオ」とは、Ken(金子健)、Benny (ベニー・グリーン)、Satoshi(井上智)の頭文字から取ったユニット。デビュー作『ホワット・アム・アイ・ヒア・フォー』(2009年11月録音)は、2010年5月に発売され一大反響を巻き起こした。KBSトリオのリーダーである金子健はベニー・グリーンが大好きで、彼の来日の度にライブに通っていた。金子は、特に1991年からベニーがクリスチャン・マクブライド(b)、カール・アレン(ds)と始めたトリオが気に入っていた。自己のトリオ、Ken’s Trioは、「ベニー・グリーン・トリオ」を理想としている。いつかベニーと一緒にアルバムを作りたいとの金子の想いを実現させたのがKBSトリオである。
さてこの2作目『レゾナンス』は、今年の2月3日にリハーサルを行った。3人が一所懸命にアイデアを出し合いながら演奏していたら、あっという間に6時間が経っていた。そして2月5日と6日の2日間で、T-TOCレコーズの新スタジオにてレコーディングを行った。アルバム・タイトルの『レゾナンス』は「響き」という意味があるが、ここでは「音楽的共振、共鳴」といった思いが込められている。前作に比べ、「トリオの絡み・響き合い」がとても大切にされており、極上のアコースティック・サウンドが楽しめる。ベニーはオスカー・ピーターソンから生前、「プロテジェ」(後継者:proteqe)と直接指名されているが、KBSトリオはオスカー・ピーターソン~レイ・ブラウン~ハーブ・エリスを範とした雰囲気も漂う。前作と違う点は、10日間のツアー、6時間の徹底したリハーサル(ここでイメージを高め、アイデアを出し合いながら共同作業で曲を仕上げレベルを高めていった)、素晴らしい新スタジオでのレコーディングがトリオの結束を高め、各々独立したグルーブ感を大切にし、その絡みを全員が楽しんでいることだ。
2012.08.29 高木信哉
待望の『KBS TRIO』セカンドアルバムは
究極の『レゾナンス』をお届けします。
ファーストアルバム「ホワット・アム・アイ・ヒア・フォー」では、その3人の素晴らしいアンサンブルと録音クオリティーを評価していただき、スイングジャーナル選定ゴールドディスクを受賞、そして全国ツアーも大盛況のうちに終演。あれから2年の歳月が流れ、ついに新作の構想が浮かび上がってきました。しかし、多方面から高い評価を受けた彼らのセカンドアルバム。満を持した状態で制作したいという想いから、新(真)スタジオの完成を待ってのレコーディングとなりました。
私の肩書きは、プロデューサー兼エンジニアですが、心境はいつも「録音機材を奏でるミュージシャン」として、いつもレコーディングに参戦しています。
「ミュージシャンの情熱と演奏を一滴漏らさず収録する」これが私のトータル・サウンド・アーティストとしての絶対的なポリシー。
そして、今回のレコーディングは、前作よりもさらに磨きのかかった3人の芸術的なアンサンブルを前作以上のクオリティーで収録することが私の使命。
特に、頭を悩ませたのは、ベニーさんの表現力ゆたかで、ダイナミックレンジの広い芸術的な演奏を、フルに魅きだせるピアノの選定。もちろん、彼の実力ならばどんなピアノでも美しく奏でさせることはできる。
しかし、私が目指していたのは、ピアノがベニーさんにインスピレーションを与え、ともに共感し共鳴しあえるピアノを探していました。果たしてそんなピアノを見つけることができるのか???
そんな不安を抱きながらのピアノ探し。
私ならでは? のエスカレートさを発揮し、スタインウェイを中心に、ベーゼンドルファー、ペトロフなど様々なサイズ、年代のピアノを国内外合わせて約100台近くから選択することに。そして、当初選択にはなかったベヒシュタインのC234セミコンサートグランドとの運命的な出会いを遂げる事になりました。
八王子にあるユーロピアノさんのショールームに堂々と並ぶフルコンサートグランドの中に、静かに異彩を放ち存在していたピアノに目が留まった。
手入れの行き届いたおすすめのフルコン2台とともに試奏をすることに。
どちらのフルコンも、絶対的な余裕と気品あふれる素晴らしい音色を奏で私を魅了していた。しかし、何かが足りない…と感じる中、いよいよC234に手をかけた。
私のたいして弾けない指先で、シンプルな和音を鳴らす。
瞬時に感じた共鳴。音色、音質を越えた表現力と一体感。今まで出会わなかった感覚。
音色の素晴らしいピアノはたくさんある。しかし、なぜかピアノが心を通わせてくれない。
どこか「他人ごと」に感じる。音楽をともに奏でようとしてくれない。
もちろん、私が演奏者として音楽を奏でてくれないという不満ならば、どんなピアノもつき合ってくれないだろう。または、十分な月日をかけることで、ピアノと分かり合えることができることも十分承知している。
いま私が話しているのは、そういう視点ではなく「私と共に良い音楽を生み出していきたい」という、同じインスピレーションで共鳴しあえるかどうかが重要。そして、私とこのピアノは一瞬にして共鳴し合えたのです。
「運命的な出会い」とはこういうことをいうのかと感じた瞬間でした。
さらに、「運命的な出会い」の確信を裏付ける衝撃的な出来事があった。
あるパーティーで、以前私が録音を担当したピアニストと数年ぶりの再会を懐かしんでいた際、そのピアニストの口から衝撃的な言葉が飛び出した。「僕が以前からお気に入りだったピアノをティートックスタジオさんに導入されたんですね!金野さんに録音していただいた時も同じピアノを使用したんですよ」と。恥ずかしい話だが、僕は全くその事実を知らなかった。
その言葉を聞いて、よりこのピアノとの運命を深く感じたのだった。
ユーロピアノさんのショールームではじめて出会ったとは思えない共鳴と聞き覚えのある音色は、偶然ではなかったのだと…。
最後に、3人の素晴らしい円熟した演奏と、プラスαで私の機材演奏が融合され、良い意味でライヴとは違った生々しさをご体感いただければ幸いです。
次回作も情熱かけて全力で制作しますので、末永く愛聴していただければ本望です。
ファーストアルバムでは『新星』を感じ、本作は『神聖』を感じていただけると信じて…
2012.09.14
トータル・サウンド・アーティスト 金野貴明